中国における食品表示に関する法改正の動き

By | 2020年3月10日
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 中国において、食品表示に関する法改正の動きがありましたので、今回はその改正の内容についてご紹介させて頂きたいと思います。
 昨年12月号に引き続き、中国のコンサルティング会社 REACH24 グループよりご寄稿頂きました記事の情報に基づく内容となります。


 昨年11月、中国国家市場監督管理総局(SAMR)より、中国への輸出食品を含むすべての食品を対象とする「Measures for the Supervision and Management of Food Labeling (食品表示に関する監督並びに指導)」の法案に対するパブリックコメントの募集が発表されました。法案のうち以下の2つの項目がこれまでの法令にはなかった内容の追加であるとのことです。

  • 第14条 輸入食品には中国語のラベルを貼ってあること。このラベルは(該当する食品の)製造時等に、販売最小単位となるパッケージ上に直接貼り付けるか、印字あるいは表示されていなければならない。表示は当該食品が中国到着する前に施されていなければならない。
  • 第15条 「~専用」など専門性を示す用語や、当該製品が乳幼児並びに子供、高齢者、妊婦といった特殊なグループにより適していることを示す語句などを含む文言を使用することは認められない。この様な強調表示の使用は特定のグループ向けの特定の国家基準や法令が対象としている食品に限られる。(例えば、妊婦/授乳中の女性向け食品、乳児向け粉ミルク等)

 又、今回の法案では以下の強調表示を禁止しており、こちらの内容も注目すべき点となっている様です。

  • 明示的もしくは暗示的に疾病の予防や治療効果を標ぼうする表示
  • 健康食品ではない食品が明示的もしくは暗示的に医療的機能を標ぼうすること
  • 食品について詐欺的方法もしくは誤認される様な方法で説明すること
  • 添付された製品規格書が裏付けとなる根拠を欠いているもの
  • 国の慣習に反し、特定のグループを差別するような語句
  • 中国の国旗、国章もしくは中国元のイメージを使用した表示
  • 社会の調和にマイナスの影響を与える商品名
  • 登録されている医薬品と同一名を食品に使用する
  • 法律、法令や基準において禁止された内容を含むもの

 現在中国向けの輸出を考えていらっしゃる方々には、まず第14条については、これまでは中国に到着してからも可能であったラベルの貼り付けが、今後は日本での製造時に、販売最小単位のパッケージにまでラベルの貼り付けが必要になることから、日本からの輸出準備においての作業負担が増えるのは必至です。

 そして第15条については、特定の年齢層や特殊な対象者(妊産婦など)をターゲットとする場合、考えておられる対象者に対して法令が別途設定されているかどうかを事前に確認することが必要になります。

 更に強調表示として禁止されている項目については、健康食品を含め、中国向け食品のパッケージをデザインされる際の参考にして頂ければと存じます。

 尚、その後これまでに得られたパブリックコメントに基づき、今後の法案の改正は以下の内容に関するものになるであろうと言われており、この点も追記しておきます。 改正の具体的スケジュールは、現段階で明らかではありませんが、引き続き、その動きには注目して参りたいと思います。

  1. 以下の項目に関する必要条件の最適化:
    • 表示に使用する文字に関するもの
    • 輸入食品の表示に関するもの
    • 保存条件に関するもの
    • 参照されている製品基準、製造許可番号、警告に関するもの
  2. 以下の項目に関する必要条件の強化:
    • 名称
    • 原材料(添加物)名
    • 製造年月日及び賞味期限
  3. 特殊な食品や可食農産物の表示に関する必要条件の標準化

 昨今のコロナウィルスの感染拡大の影響はありますが、今後も中国は日本にとって最大の貿易相手国の一つであることに変わりはないと思います。上記の点について、今後の法案施行の成り行きに注意する必要があると考えています。

参照根拠:
上記内容はREACH24 グループのこちらの記事を基に作成しました。
https://food.chemlinked.com/news/food-news/china-unveils-food-labeling-supervision-administrative-measures-exposure-draft
USDAによる法案の英訳がこちらにあります。
https://www.fas.usda.gov/data/china-draft-measures-supervision-and-management-food-labeling

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亀山 明一
添加物製剤の業界に長く在籍した経験を活かし、添加物の調査業務を中心に、調査結果の英文と日本語との整合性確認業務に従事しています。また原材料の使用基準や食品表示基準などについて、英語でのセミナー講師も担当しています。
趣味は外国文化に触れることと旅行。