シンガポール、糖類添加量の多い飲料の健康レベル情報表示を義務化へ

By | 2019年12月4日
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 今回は、中国のコンサルティング会社REACH24グループより寄稿頂きました、以下の記事をご紹介させて頂きたいと思います。

▼ 寄稿頂いた原文(英文)記事へのリンクはこちらです。
Sugar-Sweetened Beverages Subject to Mandatory Health Level Labeling in Singapore
(筆者:Yilia Yeさん)


重要ポイント

  • シンガポールで販売されている糖類添加飲料は、主に糖類の含有によって段階分けされる栄養レベルをパッケージに表示しなければならない。
  • シンガポールでは、糖類含有量の多い飲料のマスメディアなどでの広告を全面禁止する予定。
  • シンガポールは先進国の中でも2番目に糖尿病患者の割合が高い国である。

 2019年10月10日シンガポール保健省は、包装済みの糖類含有量の多い飲料に対して、パッケージの前面に栄養情報の表示を義務付けると公表した。主としてその糖類含有量に応じて4または5段階に分けられ、色で区別される。この規制は、シンガポールで販売される、清涼飲料水、果汁、インスタント飲料、ヨーグルト等すべての飲料に適用される。

 この表示要件は、AからEまで段階分けしたフランスの表示様式を手本にしており、Aが最も健康(緑表示)でEが最も不健康(赤表示)となる。

 加えて、シンガポールはEレベル(最も不健康)の飲料に対して、テレビネットワーク、紙媒体メディア、屋外の公的な場所などでのマスメディアの広告を禁止した。この新しい規制が実施されれば、シンガポールは、糖類含有量の高い飲料に対して広告の全面禁止に踏み切る世界初の国となる。その他の国においても同様の規制は実施されているが、例外なく徹底的に実施される世界初の規制となる。

 保健省は、このレベル分けに関して基準を発表していないが、2020年前半にも詳細について発表される模様である。この新しい規制は、1年後から4年後に実施される予定である。
 
 この件に関して、コカ・コーラ社はCNNに対し、この新しい規制を支持すると表明し、同社への影響が最小限になることを願っていると述べた。コカ・コーラ シンガポールを含むヨー・ヒャップセン、ポッカ等飲料大手メーカー7社は、2020年までにそれぞれの製品の糖類含有量を12%以下にするよう以前から表明していた。

 シンガポールは、先進国の中でも糖尿病患者の割合が2番目に多い。これまでの国の政策や市場環境下では、将来的に人口の半数が糖尿病と診断されることになると推定されていた。この甚大な危機的状況を回避するためにシンガポール保健省は糖分の消費を減らすことを主眼に置いた4つの主な提案を行った。

対策 公募の回答率
健康レベル情報表示の義務化 84%
糖類含有量の多い飲料の広告の全面禁止 71%
砂糖税課税 65%
糖類含有量の多い飲料の販売の全面禁止 48%

 砂糖税導入と糖類含有量の多い飲料に対する禁止も引き続き検討されることとなるが、この件に関する同意が比較的低くなっていることから、さらに慎重な検討が必要だとしている。


 ご紹介の記事はシンガポールの内容ですが、各国ではこうしたFOP(Front of Pack)表示に対する取り組みが進められています。日本では栄養成分について視覚化して表示をするような規則はなく、またadded sugarの表示義務もありません。(ただし糖類無添加に関する表示基準はあります。)
 
 今後、各国に輸出を検討される際には、どのような表示事項に対する関心が高いのかなど、様々な規則を通じて知っておくことも大切なのではと思います。


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亀山 明一
添加物製剤の業界に長く在籍した経験を活かし、添加物の調査業務を中心に、調査結果の英文と日本語との整合性確認業務に従事しています。また原材料の使用基準や食品表示基準などについて、英語でのセミナー講師も担当しています。
趣味は外国文化に触れることと旅行。