Author Archives: 川合 裕之

川合 裕之

About 川合 裕之

食品表示検査業をしています。国内と海外向けに、食品表示検査と原材料調査サービスを提供している経験をもとに、食品表示実務に関する講演をしています。

■職歴・経歴
1974年 岡山県生まれ
食品メーカー勤務後、2003年に食品安全研究所(現株式会社ラベルバンク)を設立。
「分かりやすい食品表示」をテーマとし、「食品表示検査・原材料調査」などの品質情報管理サービスを国内から海外まで提供しています。また、定期的に講演活動も行っています。

■主な著作物・寄稿ほか
【共著】
『基礎からわかる 新・食品表示の法律・実務ガイドブック
Food Labeling Law and Practical Guidebook』 (レクシスネクシスジャパン, 2014)
【寄稿】
・2017年~2018年連載 『食品と開発』(UBMジャパン)表示ミスを防ぐための食品表示実務の大切なポイント~
・2014年~連載『季刊シール&ラベル』(日報ビジネス)食品表示にまつわるワンポイントアドバイス
・~2010年連載 『フードプラスワン』(日報アイビー)食品表示ワンポイントレッスン
・~2010年連載 『ヘルスケアマーケットレビュー』(大阪産業創造館)
【講義】
・2009~2014年 東京農業大学生物産業学部 特別講師

■最近の講演実績
・2018年11月8日 食品表示法に基づく栄養成分表示について
 栃木県観光土産品公正取引協議会・宇都宮商工会議所様主催。
・2018年9月26日 食品表示~表示の目的と役割、表示相談~
 (公財)かがわ産業支援財団様主催。

>> 寄稿・コラムの詳細はこちら
>> 講演・セミナーの詳細はこちら

輸出入と原材料使用基準、表示基準

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 日本と海外各国では、食品の制度は大きく異なります。例えばアレルゲンの表示対象品目も異なってきますので、十分な事前調査が必要です。また、こうした規則の違いによる対応の難易度にも大きな差があります。例えばアレルゲンの表示基準の違いがあることについては、その違いを知ってしまえば、対応自体はそれほど難しくありません。表示を変更すればよい、ということになるためです。その一方で、規則の違いを把握できたとしても、実際に対応することはかなり難しいということもあります。
 そこで今回のミニコラムでは、実務対応上の課題からみた「使用基準」と「表示基準」について簡単にまとめてみたいと思います。まずは以下の表をみてください。

    基準の判断のしやすさ 基準への対応のしやすさ
使用基準 原材料 Hard Hard(食品分類による)
添加物 Easy Hard(食品分類による)
表示基準 義務表示 Hard Easy
任意表示 Hard Easy

使用基準については「原材料」と「添加物」の区分で、表示基準については「義務表示」と「任意表示」で分けて考えてみました。Easyは「対応が簡単」、そしてHardは「対応が難しい」という意味です。

【原材料使用基準】
原材料使用基準については、とりわけ添加物については規則をみつけること自体は難しくありません。ただし、必要であることから使用されているものであるため、同じような機能をもつ代替の添加物を探す必要があります。その際、製造性での課題や、栄養成分訴求等の品質保証の課題について検証が必要な場合は、時間がかかることになります。

添加物以外の原材料(食品素材)については、使用基準そのものをみつけることが困難な場合があります。とくにノベルフード(食経験が長くないもので例としては成分を抽出し濃縮したエキス等があります)に該当するものを主要原材料としている場合は、代替原材料の選定は難しくなります。

【表示基準】
表示事項、表示方法、禁止表示といった表示基準は、規則が分かってしまえば対応は難しくありません。ただし、原材料使用基準の規則と違い、現地の規則は長文で記載されており、現地の担当者でも理解が難しい場合があります。つまり規則の把握自体が簡単ではないとも言えます。とりわけ強調表示など特定の条件下で表示の必要性が生じる規則などについては、規則自体の把握はかなり難しい場合があります。

そして共通する課題が、「食品分類の特定」でしょう。原材料使用基準も表示基準も、日本と同様に「食品分類」によってそれぞれ異なります。輸出入の際、どこに時間がかかりそうかを考えるうえで参考になればと思います。

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海外とアレルゲン表示

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 先日、海外に輸出される予定の国産食品に「アレルゲンフリー」と表示されているものを見る機会がありました。メーカーさんに話を聞くと「原材料として使用していない」から表示しているとのことで、いくつか注意が必要と感じましたので、今月のコラムは「海外とアレルゲン表示」について書いてみたいと思います。

対象品目の違い


 日本と海外とでは、アレルゲン表示の対象品目に違いがあります。まずは日本のアレルゲン表示の対象品目は、以下の27品目(義務表示は7品目)となります。

義務(7品目):えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生
推奨(20品目):あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

 これに対して、海外の対象品目はやや異なります。例えば香港では、以下の8品目が表示義務の対象となります。

(i) グルテンを含有する穀物
(ii) 甲殻類および甲殻類製品
(iii) 卵および卵製品
(iv) 魚および魚加工品
(v) ピーナッツ、大豆およびこれらの製品
(vi) 乳および乳製品(乳糖を含む)
(vii) ナッツおよびナッツ製品

引用:各国の食品・添加物等の規格基準(農林水産省)より

 また日本(2013年に「ごま」「カシューナッツ」を表示推奨品目に追加)と同じように、規則も改正されていきます。例えば2018年では台湾のアレルゲン表示の規則に改定(2018年8月21日改定、2020年7月1日施行)があり、従来の6品目から11品目へと拡大されています。

  1. 甲殻類およびその製品
  2. マンゴーおよびその製品
  3. ピーナッツおよびその製品
  4. ゴマ、ヒマワリ種子、およびそれらの製品
  5. 牛乳、山羊乳、およびそれらの製品(牛乳および山羊乳由来のラクチトールを除く)
  6. 卵およびその製品
  7. ナッツおよびその製品(アーモンド、ヘーゼルナッツ、くるみ、カシューナッツ、ピーカン、ブラジルナッツ、ピスタチオナッツ、マカダミアナッツ、松の実、栗など)
  8. 小麦、大麦、ライ麦、オート麦などのグルテンおよびその製品を含む穀類
  9. 大豆およびその製品(高純化または精製された大豆油脂、トコフェロールおよびその分解物、フィトステロールおよびフィトステロールエステルを除く)
  10. 最終成果物として算出されるべきすべてのSO2換算で10mg/kg 以上の濃度となる亜硫酸塩および二酸化硫黄などの使用
  11. サーモン、サバ、オオクチ(Yuan xue)、カラスガレイ(Bian xue)およびそれらの製品

引用:各国の食品・添加物等の規格基準(農林水産省)より

 日本から海外へと輸出される食品については、とりわけ「小麦」は含まれないが「グルテン」を含むもの、またキャリーオーバーの添加物に「亜硫酸塩」を含むものなどが注意点としてあげられます(輸入時は、反対に「グルテン」は含まれないが「小麦」を含むものに注意が必要です)。海外に食品を輸出されようとされる方は、対象国のアレルゲン表示の規則について、調べておく必要があります。農林水産省作成の「各国の食品・添加物等の規格基準」は日本語で参照できますので、一度見ておかれるとよいと思います。

フリーと不使用の違い


 次に、「アレルゲンフリー」の持つ意味についても確認が必要です。日本の食品表示基準には、以下の規則があります。

「使用していない」旨の表示は、必ずしも「含んでいない」ことを意味するものではありません。(中略)例えば、一般に「ケーキ」には「小麦粉(特定原材料)」を使用していますが、「小麦粉」を使用しないで「ケーキ」を製造した場合であって、それが製造記録などにより適切に確認された場合に、「本品は小麦(粉)を使っていません」と表示することができます。しかし、このような場合であっても、同一の調理施設で小麦粉を使ったケーキを製造していた場合、コンタミネーションしている場合がありますので、この表示をもって、小麦が製品に含まれる可能性を否定するものではありません。
(食品表示基準Q&Aより)

 日本には「アレルゲンフリー(含んでいない)」表示についての数値基準は明確には定められていませんが、こうした表示に対する基準が定められている国もあります。例えばアメリカやEUでは、「グルテンフリー」と表示できる基準値として「20ppm(mg/kg)」が設定されています。「gluten-free」だけでなく「no gluten」なども対象になるなど、表示方法についても規則がある場合がありますので、こうした表示をされたい方は事前に確認をされておくとよいでしょう。
 また関連する表示としては、「低グルテン」の規則がある国もあります。例としてオーストラリアとニュージーランドの規則は次のようなものとなります。

グルテン

  • (グルテン)フリー
    食品には以下のものを含有してはならない
    (a) 検出可能なグルテン、もしくは
    (b) オーツまたは関連商品、もしくは
    (c) モルト化したグルテンを含有する雑穀または関連商品
  • 低(グルテン)
    100g あたり20mg 未満のグルテンを含有する食品

参考:Federal Register of Legislation. Standard 1.2.7 Nutrition, health and related claims

 その他、アレルゲンフリーの表示をする際には届出が必要な国もありますので、表示方法などの規則だけでなく制度についても調べておく必要があると言えます。

最後に


 こうした制度や規則の違いの背景の1つに、食文化の違いがあると思います。海外に輸出される予定の日本の食品ラベルを見る機会も増えていますが、アレルゲンフリーや○○産原材料使用などの「強調表示」がされているケースも増えていると感じます。日本も同じですが、強調表示をするにはそれなりの根拠の用意が必要となります。
 規則が異なるために、日本では可能だった強調表示ができなくなる場合も多々あります。その際には、無理に他に可能な強調表示を探すのもよいですが、空いた表示スペースには「食品自体の説明文章」にあてると、食文化の異なる消費者にも分かりやすくなるのでは思いますので、海外へ販売するときの参考までにしていただければと思います。

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強調表示とは

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食品表示基準での強調表示といえば、栄養成分強調表示(高い旨、含む旨等)を思い浮かべる方が多いのではと思いますが、不当表示を防ぐ目的で広義にとらえると様々な強調表示がありますので、ミニコラムとしてまとめてみたいと思います。

以下の図は、強調表示の類型についてまとめたものです。

上下の違いは、強調の目的の違いです。
安全や健康に関して強調をする場合と、商品の品質に関して強調をする場合に分けています。
左右の違いは、強調の内容の違いです。
何かを使用しているか、強化している場合と、何かを使用してないか、軽減している場合に分けています。

これらの強調表示の際には、根拠(エビデンス)となる資料が必要となります。原材料の種類に関する強調の場合であれば、原材料規格書や製造記録などが該当します。栄養成分の量に関する強調の場合であれば、栄養成分の分析成績書などが該当します。

食品の場合、すべての原材料について常に同じ規格のものを安定して使用することは、簡単ではないケースが多いと思います。ですので、毎年定期的に原材料規格書や分析成績書を更新するといった品質保証(表示してあることと実際との整合性を確認する)業務が大切といえます。

強調している表示に対して、保有している根拠資料が適切でなければ、不当表示となる恐れがあります。その点で、強調表示と不当表示は背中合わせのような関係と考えてよいでしょう。何かを強調するには、それにふさわしい根拠が必要です。

保有している根拠資料が強調表示の根拠として適切であるかどうかを、一度見直しをする機会にしていただければと思います。

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「打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点」について

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 少し前になりますが、2018年6月に消費者庁より「打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点」(以下「留意点」)が公表されていますので、今月はこちらを取り上げてみたいと思います。

強調表示と打消し表示


 打消し表示とは、商品の内容などについて強調表示をする際に、なんらか例外などがあるときに表示されるものです。分かりやすい例としては、体験談の表示に添えられる「個人の感想です。効果には個人差があります。」といった表示があげられます。「留意点」によると、強調表示と打消し表示は以下のように定義されています。

【強調表示】:事業者が、自己の販売する商品・サービスを一般消費者に訴求する方法として、断定的表現や目立つ表現などを使って、品質等の内容や価格等の取引条件を強調した表示

【打消し表示】:強調表示からは一般消費者が通常は予期できない事項であって、一般消費者が商品・サービスを選択するに当たって重要な考慮要素となるものに関する表示

打消し表示の方法について


  「留意点」では、紙面広告だけでなく、動画広告やWeb広告(PC及びスマートフォン)についても、それぞれの媒体の特性別に注意すべき表示を整理しています。容器包装への表示については「紙面広告」と読み替えて想定していただくとして、ここではすべての媒体に共通する注意点について取り上げてみたいと思います。

(1)打消し表示の文字の大きさ

打消し表示の文字の大きさは、一般消費者に打消し表示が認識されない大きな理由の1つであると考えられています。事業者が打消し表示を行う際には、一般消費者が手にとって見るような表示物なのか、鉄道の駅構内のポスター等の一般消費者が離れた場所から目にする表示物なのかなど、表示物の媒体ごとの特徴も踏まえた上で、それらの表示物を一般消費者が実際に目にする状況において適切と考えられる文字の大きさで表示する必要があります。

(2)強調表示の文字と打消し表示の文字の大きさのバランス

打消し表示は、強調表示といわば「対」の関係にあることから、強調表示と打消し表示の両方を適切に認識できるように文字の大きさのバランスに配慮する必要があり、打消し表示の文字の大きさが強調表示の文字の大きさに比べて著しく小さい場合、一般消費者は、印象の強い強調表示に注意が向き、打消し表示に気付くことができないときがあると考えられます。

(3)打消し表示の配置箇所

打消し表示は、一般消費者が、それが強調表示に対する打消し表示であると認識できるように表示する必要があるため、打消し表示の配置箇所は、打消し表示であると認識されるようにするための非常に重要な要素です。

(4)打消し表示と背景との区別

打消し表示の文字の色と背景の色が対照的でない場合(例えば、明るい水色、オレンジ色、黄色の背景に、白の文字で打消し表示を行った場合)など、打消し表示の文字と背景との区別がつきにくいような場合には、一般消費者は打消し表示に気付かないおそれがあります。

打消し表示の内容について


 そして、問題となりえる打消し表示の内容について以下の4類型が公表されています。

(1)例外型の打消し表示

商品・サービスの内容や取引条件を強調した表示に対して、何らかの例外がある旨を記載している打消し表示について、一般消費者が打消し表示を読んでもその内容を理解できない場合、一般消費者は例外事項なしに商品・サービスを利用できるという認識を抱くと考えられる。

(2)別条件型の打消し表示

例えば、割引期間や割引料金が強調される一方、割引期間や割引料金が適用されるための別途の条件が打消し表示に記載されており、一般消費者が打消し表示を読んでもその内容を理解できない場合、一般消費者は別途の条件なしに強調された割引期間や割引料金で商品・サービスを利用できるという認識を抱くと考えられる。

(3)追加料金型の打消し表示

「全て込み」などと追加の料金が発生しないかのように強調している一方、それとは別に追加料金が発生する旨が打消し表示に記載されており、一般消費者が打消し表示を読んでもその内容を理解できない場合、一般消費者は当該価格以外に追加料金が発生しないという認識を抱くと考えられる。

(4)試験条件型の打消し表示

表示を行うに当たっては、表示された効果、性能等(ここで「表示された効果、性能等」とは、文章、写真、試験結果等から引用された数値、イメージ図、消費者の体験談等を含めた表示全体から一般消費者が認識する効果、性能等であることに留意する必要がある。)が、試験・調査等によって客観的に実証された内容と適切に対応している必要がある。

 なお、冒頭の事例である「個人の感想です。効果には個人差があります。」については、体験談により一般消費者の誤認を招かないようにするために、当該商品・サービスの効果、性能等に適切に対応したものを用いることが必要であり、商品の効果、性能等に関して事業者が行った調査における(ⅰ)被験者の数及びその属性、(ⅱ)そのうち体験談と同じような効果、性能等が得られた者が占める割合、(ⅲ)体験談と同じような効果、性能等が得られなかった者が占める割合等を明瞭に表示すべき、とされています。

今後について


 消費者庁の発表によれば、「打消し表示」については今後厳しく取り締まる方針となっています。上にあげた4つの表示方法と4つの表示内容については、どのような表示にもあてはめて考えることができる視点となっていると思いますので、パッケージデザインだけでなく、同封のしおり、パンフレットやウェブサイトなどの表示が適切であるかを検証する業務に携わる方は、一度目を通しておかれるとよいと思います。

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特別用途食品に「乳児用液体ミルク」が追加されました

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 2018年8月8日、「特別用途食品の表示許可等について」(平成29年3月31日消食表第188号)が一部改正され、特別用途食品に「乳児用液体ミルク」が追加されました。特別用途食品について再確認できるよう、制度の概要とあわせて改正内容をとりあげてみたいと思います。

改正の背景について


 消費者庁報道発表資料に、改正背景とポイントが掲載されていますので、こちらに抜粋します。

平成30年8月8日
特別用途食品における乳児用液体ミルクの許可基準設定について

特別用途食品の販売に当たっては、健康増進法に基づき、その表示について国の許可を受ける必要がありますが、これまで乳児用液体ミルクについては、母乳代替食品としての用に適する旨を表示するための許可基準が設定されていませんでした。
本日、乳児用液体ミルクの普及実現に向けて、「健康増進法施行令第3条第2号の規定に基づき内閣総理大臣が定める区分、項目及び額(消費者庁告示)」及び「特別用途食品の表示許可等について(消費者庁次長通知)」を改正し、特別用途食品における乳児用液体ミルクの許可基準を設定・施行したので、公表します。

改正のポイント


○ 特別用途食品における乳児用調製乳の区分追加
乳児用液体ミルクの名称を乳児用調製液状乳とした上で、新たに「乳児用調製乳」の区分を追加し、その下に「乳児用調製粉乳」及び「乳児用調製液状乳」の区分を設定。

○ 乳児用調製液状乳の必要的表示事項を規定
当該食品が母乳の代替食品として使用できるものである旨(ただし、乳児にとって母乳が最良である旨の記載を行うこと。)、標準的な使用方法等の必要的表示事項を新たに規定。

○ 乳児用調製乳の許可基準にセレンを追加(平成34年4月1日から適用)
食品衛生法に基づく食品添加物の規格基準の改正に係る検討状況を踏まえ、新たに成分組成の基準に、セレンを追加。

特別用途食品とは


病者用食品、妊産婦、授乳婦用粉乳、乳児用調製乳及びえん下困難者用食品について、特区別の用途を表示されたものをいいます。許可制の表示であり、こちらのマークを貼付することができます。

「特別用途食品とは(消費者庁)」より

  • 乳児の発育や、妊産婦、授乳婦、えん下困難者、病者などの健康の保持・回復などに適するという特別の用途について表示を行うもの。
  • 特別用途食品として食品を販売するには、その表示について消費者庁長官の許可を受けなければならない。
  • 表示の許可に当たっては、規格又は要件への適合性を審査し、許可。

 許可制の表示ですので、消費者庁に申請が必要になります。現在許可されている商品は51商品※ですが、内訳の表を見ると特別用途食品の体系がわかりやすいので、こちらに抜粋します(「特別用途食品表示許可件数内訳(消費者庁)」より)。今回改正の「乳児用液体ミルク」は、以下表の「乳児用調製粉乳」の欄に追加される形となります。

《特別用途食品 表示許可件数内訳》 平成30年8月6日現在

食品群 表示許可件数
病者用食品 許可基準型 低たんぱく質食品 11
アレルゲン除去食品 6
無乳糖食品 4
総合栄養食品 5
個別評価型 8
妊産婦、授乳婦用粉乳 0
乳児用調製粉乳 8
えん下困難者用食品 えん下困難者用食品 12
とろみ調整用食品 0

※アレルゲン除去食品及び無乳糖食品として許可しているもの3件については、それぞれの食品群で計上しているため、許可品数は51件

 これらの発表資料は、消費者庁サイト「特別用途食品 許可制」に掲載されています。制度を通じてこうした食品分類のニーズをあらためて確認できる機会にもなると思いますので、関心のある方は一度目を通しておかれるとよいと思います。

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『平成30年7月豪雨を受けた食品表示の弾力的運用について』

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※こちらの運用は年内(平成30年12月31日)で終了となります。
詳細は下記を参照ください。

 2018年7月13日、消費者庁は、災害救助法の適用を受けた被災地において、農林水産省及び厚生労働省と連名で、食品表示基準を弾力的に運用する旨を関係機関に通知しました。各通知は以下のサイトに掲載されています。

『食品表示に関するお知らせ』(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/

2018年7月13日~19日までに発表された通知


平成30年7月豪雨を受けた

  • 食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について
  • 乳児用液体ミルクの取扱いについて
  • 製造所の表示の運用について
  • 製造所固有記号の表示の運用について

各通知の概要(抜粋)


『食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について』

“食品の安全性に係る情報伝達について十分な配慮がなされていると判断されるとともに、消費者の誤認を招くような表示をしていない場合には、平成30年7月豪雨において災害救助法の適用を受けた被災地(※)において、譲渡又は販売される食品については、必ずしも食品表示基準に基づく義務表示事項の全てが表示されていなくとも、当分の間、取締りを行わなくても差し支えない”(※10府県60市37町4村)

“食品表示基準に基づく表示事項が容器包装に記載されていない食品を被災地で譲渡・販売する場合にも、アレルギー表示及び消費期限については、従来どおり個々の容器包装に表示する必要があることから、これまでどおり、取締りの対象となります。”

“賞味期限については、多くの業務用加工食品において、容器包装に表示されている状況もあり、可能な限り個別に表示する”

“消費者の誤認を招くような悪質な違反についての取締りを排除するものではない。悪質な違反については、引き続き、関係機関とも連携した取締りを行う”

『乳児用液体ミルクの取扱いについて』

“母乳代替食品としての用に適する旨を表示した乳児用液体ミルクについて、特別用途食品制度における許可及び承認を受けていない場合も、当分の間、取締りを行わなくても差し支えないこととします”

“ただし、アレルギー表示及び消費期限については、被災者の方々の食事による健康被害を防止することが何より重要であるため、従来どおり個々の容器包装に表示する必要があり、これまでどおり、取締りの対象となります。”

“食品衛生上、開封後の飲み残しは保管しない”

『製造所の表示の運用について』

“当分の間、平成30年7月豪雨において災害救助法の適用を受けた被災地の工場(製造所)で製造していた食品について、他の製造者や製造所に委託する場合にあっては、別添届出様式を用いてFAXにより消費者庁食品表示企画課へ届け出ることにより、実際の製造所の所在地及び製造者の氏名と食品に表示された製造所の所在地及び製造者の氏名とが異なることとなっても差し支えないこととします”

“消費者から製造所について問合せがあった場合には、実際に製造された製造所の名称及び所在地を回答する”

別添届出様式はこちら

『製造所固有記号の表示の運用について』

“当分の間、別添届出様式を用いてFAXにより消費者庁食品表示企画課へ届け出ることにより、平成30年7月豪雨において災害救助法の適用を受けた被災地の工場(製造所)で使用していた記号を他の工場(製造所)に例外的に使用できる”

“旧制度及び新制度にかかわらず、消費者から製造所固有記号について問合せがあった場合には、実際に製造された製造所の名称及び所在地を回答する”

別添届出様式はこちら

また、避難所の管理者の方への周知についても掲載されています。

避難所の管理者の皆さま

表示のない食品を提供する場合は、次のことに十分気をつけてください。

  • アレルゲンを含むかどうか不明な場合は、アレルギー疾患を有する被災者の方に渡さないでください。
  • 期限表示が不明な場合は、長期保存をさけ、早めに食べるようにしてください。開封後の食品は、食べ残しを保管せず、適切な喫食方法で、速やかに消費してください。
  • 乳児用液体ミルクについては、必要な情報を適切に提供してください。また、開封後の飲み残しを保管しないでください。

出典:食品表示の弾力的運用を踏まえた周知チラシについて(消費者庁)

被災地の方々が、一日でも早く平穏な生活を取り戻すことができますように。

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改正食品衛生法が公布されました

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 2018年6月13日、食品衛生法等の一部を改正する法律が公布されました。飲食店含むすべての食品事業者にHACCPによる衛生管理の義務化、食品容器包装に使用される物質のポジティブリスト化、特定の成分を含む食品の健康被害情報の届出の義務化など各方面で話題になっていますので、こちらでとりあげてみたいと思います。

改正の背景


 改正の背景は、「食環境の変化」と「国際化」です。前回の食品衛生法の改正から約15年が経過し、世帯構造の変化に伴い、調理食品、外食・中食への需要の増加等の食へのニーズが変化していること、輸入食品の増加など食のグローバル化の進展といった食を取り巻く環境が変化していること。また広域的な食中毒の発生など食品による健康被害への対応や、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催や食品の輸出促進を見据えた、国際標準と整合する食品衛生管理が求められることなどが、改正の背景となっています。

改正の概要


 これらの背景をもとにした改正の趣旨は、「食環境の変化」と「国際化」への対応、ということになります。改正の概要として公表されているものは、以下のとおりです。

  1. 広域的な食中毒事案への対策強化
  2. 国や都道府県等が、広域的な食中毒事案の発生や拡大防止等のため、相互に連携や協力を行うこととするとともに、厚生労働大臣が、関係者で構成する広域連携協議会を設置し、緊急を要する場合には、当該協議会を活用し、対応に努めることとする。

  3. HACCP(ハサップ)*に沿った衛生管理の制度化
  4. 原則として、すべての食品等事業者に、一般衛生管理に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施を求める。ただし、規模や業種等を考慮した一定の営業者については、取り扱う食品の特性等に応じた衛生管理とする。

  5. 特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集
  6. 健康被害の発生を未然に防止する見地から、特別の注意を必要とする成分等を含む食品について、事業者から行政への健康被害情報の届出を求める。

  7. 国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備
  8. 食品用器具・容器包装について、安全性を評価した物質のみ使用可能とするポジティブリスト制度の導入等を行う。

  9. 営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
  10. 実態に応じた営業許可業種への見直しや、現行の営業許可業種(政令で定める34業種)以外の事業者の届出制の創設を行う。

  11. 食品リコール情報の報告制度の創設
  12. 営業者が自主回収を行う場合に、自治体へ報告する仕組みの構築を行う。

  13. その他(乳製品・水産食品の衛生証明書の添付等の輸入要件化、自治体等の食品輸出関係事務に係る規定の創設等)

*HACCP(ハサップ)・・・ 事業者が食中毒菌汚染等の危害要因を把握した上で、原材料の入荷から製品出荷までの全工程の中で、危害要因を除去低減させるために特に重要な工程を管理し、安全性を確保する衛生管理手法。先進国を中心に義務化が進められている。

「特別の注意を必要とする成分等を含む食品」について


 これらの改正点のなかで、食品表示担当者の業務に直接的に影響があるものをあげるとすれば、おそらく「3.特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集」であると思われますが、取扱商品が「健康食品」である場合に限られると考えてよいと思います。

 ただ、「特別の注意を必要とする成分等」は現時点では定められてないことから、念のために今後の発表に注視する必要がある改正点と言えるでしょう。以下に、対象となる食品についての記載を引用します。

「特別の注意を必要とするものとして厚生労働大臣が指定する成分等を含有する食品」

健康被害情報や文献等による生理活性情報を科学的な観点で整理し、薬事・食品衛生審議会や食品安全委員会における専門家の意見を聴き、パブリックコメント等を行った上で、特別の注意を必要とする成分等の指定を行う。
(検討対象となる成分等の例:アルカロイドやホルモン様作用成分のうち、一定以上の量の摂取により健康被害が生じるおそれのある成分等)

輸入食品と輸出食品について


  「7.その他(乳製品・水産食品の衛生証明書の添付等の輸入要件化、自治体等の食品輸出関係事務に係る規定の創設等)」の改正により、今後は輸入と輸出の両面で衛生管理体制が強化されることになります。

【輸入】
輸出国において検査や管理が適切に行われた旨を確認し、輸入食品の安全性を確保するため、HACCPに基づく衛生管理や乳製品・水産食品の衛生証明書の添付を輸入要件化する。

  • 一部の食品にHACCPに基づく衛生管理を輸入要件とする
  • 衛生証明書の添付義務対象食品に、乳、乳製品を追加する(これまでは肉、臓器、食肉製品のみ)
  • 衛生証明書の添付義務を法定化する(フグ、生食用カキを想定)

【輸出】
輸出先国の衛生要件を満たすことを示すため、国・自治体における衛生証明書の発行等の食品輸出関連事務の法規定を創設する。

 海外への輸出について各国と協議を進めるうえで、国際標準と同等の水準の衛生管理体制を構築しておくことが必要となるための改正と思われますので、今後輸出を検討される方は今回の改正(とりわけHACCPに基づく衛生管理)について、確認されておかれるとよいと思います。

今後について


 施行は、「公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日(ただし、1.は1年、5.及び6.は3年)」とされています。食品表示だけでなく品質保証全般を業務とされている方は、改正内容について一度目を通しておかれるとよいと思います。 

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「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン第2版」が公表されました

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 2018年5月11日、消費者庁より「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン第2版」が公表されました。新しい食品表示基準と同時に公表された同第1版と比べ、大幅に構成が変わっていますので、こちらで取り上げたいと思います。

主な変更点


 第1版は表示値の計算方法や分析方法についてなど「栄養成分表示の設定方法」から説明が始まっている、やや専門的な内容のガイドラインでした。しかし第2版の目次を見ると、「表示しようとする食品はどのような食品か?」など、表現方法から大きく変わっています。

 主な変更は、以下のとおりです。

  • 手順別(対象食品→強調の有無→表示方法→表示根拠)に規則を掲載
  • 成分別(別表第九※、その他)、分類別(加工、生鮮、添加物、一般、業務用)に規則を掲載
  • 含まれる旨や栄養機能食品の基準値など、「食品表示基準」の別表を掲載
  • 詰め合わせ食品や表示可能面積など、「食品表示基準Q&A」の内容を掲載
  • 最小表示の位や有効数字など、通知「食品表示基準について」の内容を掲載
  • ※食品表示基準別表第九に定められている36の成分と熱量

 このように、食品表示基準内の栄養成分に関する記載と別表、そして「食品表示基準Q&A」、通知「食品表示基準について」に記載されている主な規則も盛り込まれており、栄養成分表示の作成やチェックに困ったときの、包括的なガイドラインに変更されたと言えるでしょう。

ガイドラインの構成


 修正されたガイドラインは、以下のような構成になっています。

第1 表示しようとする食品はどのような食品か?

  1. 食品表示基準の対象
    食品表示基準の対象となるものについて
  2. 表示が必要な栄養成分
    (1)食品表示基準に規定される栄養成分
    (2)加工食品、生鮮食品、添加物における栄養成分表示の規定
      
    1. 一般用加工食品
    2. 一般用生鮮食品
    3. 一般用の添加物
    4. 業務用加工食品、業務用生鮮食品、業務用の添加物

第2 栄養強調表示をするか?栄養機能食品として販売するか?

  1. 栄養強調表示
    (1)栄養強調表示の規定

    1. 栄養成分の補給ができる旨及び栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨
    2. 糖類を添加していない旨又はナトリウム塩を添加していない旨
    3. 栄養強調表示の規定における留意事項

    (2)栄養強調表示をする場合の表示値

    1. 栄養成分の補給ができる旨及び栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨の表示値
    2. 糖類を添加していない旨又はナトリウム塩を添加していない旨の表示値

    (3)栄養強調表示の表現例

    1. 栄養成分の補給ができる旨及び栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨の表現例
    2. 糖類を添加していない旨又はナトリウム塩を添加していない旨の表現例
    3. 栄養強調表示の表現における留意事項

    (4)原材料やセットを構成する食品について栄養強調表示をする場合

    1. 原材料について栄養強調表示をする場合
    2. セットを構成する食品について個々のものに栄養強調表示をする場合

    (5)栄養強調表示の基準がない場合

    1. 栄養強調表示の基準がない成分
    2. 業務用食品に栄養強調表示をする場合
  2. 栄養機能食品
    (1)栄養機能食品の規定
    (2)栄養機能食品における義務表示事項
    (3)栄養機能食品における表示値
    (4)栄養機能食品における留意事項
    (5)栄養機能食品の表示が望ましくない食品

第3 適切な方法で表示されているか?

  • 栄養成分表示の方法等
    (1)栄養成分表示の様式(食品表示基準別記様式2又は3)
    (2)表示に用いる名称及び表示の単位
    (3)表示値の桁数

    1. 最小表示の位
    2. 最小表示の位に満たない場合であって、「0と表示することができる量」以上ある場合

    (4)表示の方式等における留意事項

    1. 栄養成分の量及び熱量の表示
    2. ナトリウムの量の表示
    3. 複数の食品が同じ容器包装に入っている場合の表示方法

第4 表示される値は適切か?

  1. 表示値の種類
    (1)表示値の種類

    1. 一定の値による表示
    2. 下限値及び上限値による表示
    3. 上記ア及びイを併用する場合

    (2)「範囲内にある値」の考え方
    (3)許容差の範囲

    1. 許容差の範囲の規定
    2. 栄養強調表示の基準値と許容差の範囲

    (4)合理的な推定により得られた一定の値

  2. 分析により表示値を求める場合
    (1)基本的な考え方
    (2)分析により表示値を求める際の留意事項
    (3)値の変動要因の例

    1. 自然要因
    2. 人為的な要因
  3. 分析以外の方法により表示値を求める場合
    (1)基本的な考え方

    1. データベース等の値を用いる方法
    2. データベース等から得られた個々の原材料の値から計算して表示値を求める方法

    (2)参照するのに適したデータベース等の例
    (3)データベース等の値を参照するのに適切ではない事例

 このように、第1版とは大きく異なる内容となっています。栄養成分表示の義務化に対応しようと、前回のガイドラインを見たものの難しいと感じた方にも、分かりやすくなっていると思いますので、一度確認されてみてはいかがでしょうか。 

【注】2018年5月18日に一部修正がありました。

第4 表示される値は適切か?

  1. 表示値の種類
    (3)許容差の範囲

    1. 許容差の範囲の規定
       『「許容差の範囲内にある一定の値」を表示する場合、販売されている期間中、どの商品を取っても、食品表示基準別表第9第3欄に掲げる方法により得られた値が表示値の許容差の範囲内にある必要があります。』
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糖質、糖類の表示

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 2018年3月28日、機能性表示食品の対象成分に糖質、糖類が追加されました。これを受けて、日本の糖質、糖類に関する表示制度を整理してみたいと思います。

栄養成分表示


糖質の表示値は以下の計算式で求めます。(※当該食品の質量を100とした場合)

糖質=100※-(たんぱく質+脂質+食物繊維+灰分+水分)

糖類については、食品表示基準において以下のように定義されています。

糖類:単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないもの

栄養成分表示では、糖類は糖質より1字下げて表示することになります。

炭水化物 g
 糖質 g
  糖類 g
 食物繊維 g

 炭水化物、糖質、糖類、食物繊維すべて単位は「g」であり、最小表示の位は「1の位」です。炭水化物、糖質、糖類については、1の位に満たない場合であって、0と表示することができる量以上であるときは、有効数字1桁以上となります。

 なお輸出入の際は、各国の炭水化物の定義に違いがある点に注意が必要です。

日本 炭水化物=100-(たんぱく質+脂質+灰分+水分) ※炭水化物は食物繊維を含む
EU 炭水化物=100-(たんぱく質+脂質+灰分+水分+食物繊維) ※炭水化物は食物繊維を含まない
アメリカ 炭水化物=100-(たんぱく質+脂質+灰分+水分) ※炭水化物は食物繊維を含む

強調表示


 糖質、糖類に関する強調表示の制度を整理してみました。(食物繊維は含めていません)

表示制度 糖質、糖類に関する基準 表示例
高い旨、含む旨、強化された旨 糖質、糖類ともに基準値なし
含まない旨、低い旨、低減された旨 糖質には基準値なし
(ただし算出の結果が負の値の場合は「0」と表示できる)
糖類に基準値あり
例:含まない旨0.5g未満/100g 等
無糖、糖類控えめ、糖類〇〇%オフ等(低減された旨の表示には基準値の他に、低減割合に関する基準あり)
添加していない旨 糖質には表示基準なし
糖類に表示基準あり
例:糖類に代わる原材料または添加物を使用していないこと、当該食品の糖類含有量が原材料及び添加物に含まれていた量を超えていないこと等
糖類不使用等
栄養機能食品の栄養機能表示
(規格基準型)
糖質、糖類ともに対象外
(規格基準設定なし)
特定保健用食品の許可表示
(個別許可型)
糖質、糖類ともに個別許可事例あり
例:キシリトール、L-アラビノース等
虫歯の原因にならない甘味料、砂糖の消化・吸収をおだやかにする等
機能性表示食品の機能性表示
(届出型)
糖質、糖類ともに対象成分※
例:キシリトール、L-アラビノース等

(※主として栄養源(エネルギー源)とされる成分(ぶどう糖、果糖、ガラクトース、しょ糖、乳糖、麦芽糖及びでんぷん等)を除いた糖質、糖類)

2018年4月24日現在事例なし(2018年3月28日より開始のため)

 ざっとまとめましたが、消費者のニーズは多様であり、表示制度もまた多様であるとあらためて感じます。今回はここまでです。また、ときどきミニコラムを書いてみようと思います。

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「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」が改正されました

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 2018年3月28日、消費者庁は「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」)および「機能性表示食品に関する質疑応答集」を一部改正しました。いくつかの変更点がありますが、対象となる機能性関与成分の拡大として「糖質、糖類(2018年3月28日より)」「植物エキス及び分泌物(届出データベース改修後)」が追加されており、関心が高いと思いますのでこちらでとりあげてみたいと思います。

主な改正事項


 機能性表示食品制度の運用の課題と、対象成分の拡大、そして消費者への情報提供に関する課題に対応するための改正とされています。以下に、主な改正事項別に、課題と改正点をまとめてみます。

(1)届出資料について
 課題:煩雑な届出資料
 改正点:届出資料の簡素化
・届出資料への入力項目数を約30%削減

(2)届出確認について
 課題:届出確認事務の停滞
 改正点:届出確認の迅速化
・事業者団体等の事前確認を経た旨を届出
・公表済みの届出食品と同一性を失わない程度の変更である旨を届出

(3)生鮮食品について
 課題:生鮮食品の届出件数が低調
 改正点:生鮮食品の特徴を踏まえた取扱い
・一日摂取目安量の一部を摂取できる旨の表示の追加
・生鮮食品に係るQ&Aの拡充

(4)対象成分について
 課題:栄養成分及び機能性関与成分が明確でない食品の取扱い
 改正点:対象となる機能性関与成分の拡大
・糖質、糖類の取扱いを明記
・植物エキス及び分泌物の取扱いを明記

(5)第三者による検証について
 課題:第三者による成分分析ができない
 改正点:分析方法を示す資料の開示(必要に応じてマスキング)

(6)消費者への情報提供について
 課題:販売の有無を確認できない
 改正点:事業者による届出後の販売状況の届出

届出データベース改修と運用開始時期について


 今回の改正には、届出データベースの改修が必要なものも含まれており、改正事項によって運用開始時期が異なります。届出データベース改修前と、改修後での運用開始時期の違いは以下のとおりです。

  届出データベース改修前
(改正ガイドラインに基づく運用)
2018年3月28日から運用開始
届出データベース改修後
(改正ガイドライン別添に基づく運用)
運用開始時期については別途通知
届出資料の簡素化 (一部、様式の変更) 改正前より入力項目の約30%削減
届出確認の迅速化
(再届出)
(試験運用) 本格的に運用開始
届出確認の迅速化
(事業者団体等の事前確認)
運用開始
生鮮食品の届出
(一部を摂取できる旨の表示)
運用開始
糖質、糖類の届出 運用開始
植物エキス及び分泌物の届出   運用開始
分析方法の開示 運用開始
販売状況の届出   運用開始

 なお、データベース改修時期については発表されておらず、今年度末(2019年3月末)までかかるのではとの見方がされています。

糖質、糖類について


 すでに(2018年3月28日から)運用開始された内容のうち注目されるのは、糖質と糖類の追加ではないかと思います。改正ガイドラインから、該当箇所を抜粋してみてみました。(下線部分が追加された内容です)

改正ガイドライン「機能性関与成分及びその科学的根拠に関する基本的な考え方」(P3)

(1)機能性関与成分(中略)
② 健康増進法(中略) に摂取基準が策定されている栄養素を含め、食品表示基準別表第9の第1欄に掲げる成分は対象外とする。なお、下表の栄養素の構成成分等については、当該栄養素との作用の違い等に鑑み、対象成分となり得るものとする。糖質、糖類については、主として栄養源(エネルギー源)とされる成分(ぶどう糖、果糖、ガラクトース、しょ糖、乳糖、麦芽糖及びでんぷん等)を除いた糖質、糖類を対象成分となり得るものとする。

表 対象成分となり得る構成成分等

食事摂取基準に摂取基準が策定されている栄養素 対象成分となり得る左記の構成成分等(例)
たんぱく質 各種アミノ酸、各種ペプチド
n-6系脂肪酸 γ‐リノレン酸、アラキドン酸
n-3系脂肪酸 α‐リノレン酸、EPA(eicosapentaenoic acid)、DHA(docosahexaenoic acid)
糖質 キシリトール、エリスリトール、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)
糖類 L-アラビノース、パラチノース、ラクチュロース
食物繊維 難消化性デキストリン、グアーガム分解物
ビタミンA プロビタミンA、カロテノイド(β-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチン等)

 糖質、糖類については、上記の他に「摂取上の注意事項(P4、40)」「安全性評価(P7)」「分析方法(P22)」にも考え方が追加されていますので、関心のある方は改正ガイドラインを確認してみてください。

今後のスケジュール


 本稿作成時点(2018年4月13日)で、機能性表示食品の届出を受理された商品は1,338件になります。届出資料簡素化や届出確認迅速化などの改正、そしてデータベース改修後(おそらく今年度末頃)に「植物エキス及び分泌物」が対象として運用開始されることで、機能性表示食品はさらに増えていくものと思われます。また分析方法の開示も運用開始されたため、これまでの既存届出商品に何らか変更届出を行う際は、併せて分析方法を示す資料の開示が求められることになりますので、透明性についても高まっていくものと思われます。
 大きな改正ですので、機能性表示食品制度についてあらためて確認をされる機会にしていただければと思います。

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